分類 |
美術・工芸 |
タイトル |
名画の中の植物 |
サブタイトル |
〈美術の植物学〉への招待 |
著者 |
大場秀章著 |
ページ数 |
152(カラー64)頁 |
判型 |
A5判・上製 |
定価 |
2,420円(本体2,200円) |
内容 |
★ボッティチェリの《プリマヴェーラ(春)》には春を代表する花が描かれていない!?
★マリー・アントワネットが手にするバラの種類は?
★花の女神フローラの背景に日本のビワがある理由は?
★ルソーのジャングルは子供の絵のようだが、樹種が同定できるように特徴を描いている!
古代エジプト壁画の黄泉の国から、ジャポニスムの花、アンリ・ルソーのジャングルまで。
描き込まれた多様な花や樹木を通して名画を読み解き、新たな絵画鑑賞の愉しみを提示する画期的な一書。
◉メイン作品のほかに、花の部分の拡大図やボタニカルアートなど、美しい図版170点を掲載!!
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目次 |
まえがき
1.墳墓壁画にみる黄泉の国
《ネブアメンの狩猟図》古代エジプトの壁画
2.別荘の地下に設えた地上の楽園
《庭園図》古代ローマの壁画
3.観賞用の草花で溢れた聖母の花園
《パラダイスの小園》上部ライン地方の画家
4.春を代表する花が描かれていない不思議
《プリマヴェーラ(春)》サンドロ・ボッティチェリ
5.天才による驚異の質感表現
《植物の習作》レオナルド・ダ・ヴィンチ
6.ルネサンス精神をもって描かれた自然
《一群のキバナノクリンザクラ》アルブレヒト・デューラー
7.宗教から解き放たれた原寸大の花々
《アイリスのある花束》ヤン・ブリューゲル(父)
8.フランス王家のバラを手にした悲劇の王妃
《マリー・アントワネットの肖像》エリザベト=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン
9.ロマン主義の時代が生んだ型破りな植物画
《ゲットウ》ソーントン『フローラの神殿』より
10.ビーダーマイヤー期を代表する市民の文化
《誕生日のテーブル》フェルディナント・ヴァルトミュラー
11.室内に闖入したジャポニスムの花
《白のシンフォニーNo.2:リトル・ホワイト・ガール》ジェームズ・マクニール・ホイッスラー
12.日常の一瞬を留める庭の草花
《花瓶のそばで肘をつく女》エドガー・ドガ
13.日本の果樹を従えた花の女神
《フローラ》イーヴリン・デ・モーガン
14.移ろいゆく光を纏う異国のユリ
《カーネーション、ユリ、ユリ、バラ》ジョン・シンガー・サージェント
15.節度を持ってデフォルメされたジャングルの樹々
《陽気なおどけものたち》アンリ・ルソー
あとがき
主な参考文献
索引 |
PDFパンフレット |
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備考 |
【著者より】
本書は、古代エジプトの壁画から20世紀初頭のアンリ・ルソーまで15点の絵画作品をメインに取り上げ、制作年代順に配置し、作品中に描かれた植物、いわば絵画に封印された植物が何かについて述べ、多くの場合、作品を描いた画家、描かれた意図、時代背景などへの言及を試みたものである。本書が植物愛好家には絵画美術への、また美術愛好家には植物への関心を高め、願わくは絵画に描かれた植物についての理解の一助になれば幸いである。
【著者紹介】
大場秀章(おおば ひであき)
1943年東京生まれ。理学博士(東京大学)。
現在、東京大学名誉教授、同総合研究博物館特招研究員。
専門:植物分類学、植物文化史。
主な著書など:
『植物学と植物画』八坂書房、1996
『バラの誕生』中公新書、1997
『江戸の植物学』東京大学出版会、1997
『ヒマラヤを越えた花々』岩波書店、1999
『花の男シーボルト』文春新書、2001
『サラダ野菜の植物史』新潮選書、2004
『植物学のたのしみ』八坂書房、2005
『植物学とオランダ』八坂書房、2006
『花の肖像』創土社、2006
『大場秀章著作選I 植物学史・植物文化史』
『大場秀章著作選II 植物分類学・植物地理生態学』、八坂書房、2006
『シーボルト 日本植物誌』ちくま学芸文庫、2007
『オールド・ローズ・ブック』(共著)八坂書房、2009
『植物分類表』(編著)アボック社、2009
『図説 ボタニカルアート』河出書房新社、2010
『はじめての植物学』ちくまプリマー新書、2013
『ナチュラリスト シーボルト』(編著)ウッズプレス、2016
東京大学総合研究博物館「シーボルトの21世紀」展(ディスプレイデザイン優秀賞受賞)、2004
第11回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展 日本館展示、2006
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ISBN978-4-89694-240-8 |