作物の健康

分類 園芸・農業 
タイトル 作物の健康 
サブタイトル ─農薬の害から植物をまもる─ 
著者 F.シャブスー著/中村英司訳 
ページ数 304頁 
判型 四六・並製 
定価 2,640円(本体2,400円) 
内容 健康な作物こそが食べる者の健康を守る!農薬・化学肥料は作物を中毒させて病気にかかりやすくし、病原菌や害虫の繁殖力を高めている。この驚くべき事実を実験結果から証明し、健康な作物をつくるための方法を追求する。有機農業を科学的に支援する待望の一冊。 
目次 第一部 農薬と生物的不均衡
第一章 農薬の使用による病虫害の激増
(一)作物の健康というテーマをめぐる重要な問題
(二)農薬は生物的不均衡に直接かかわっている
(三)とりまとめ
第二章 作物と寄生者との関係 ──「栄養関係説」
(一)作物の抵抗性に関係する諸条件
(1)植物の発育段階の影響 ──開花期について
(2)植物器官の齢と病害感受性
(3)気象条件の影響
(4)土壌の影響
(二)植物と寄生者との関係
(1)植物と寄生者との関係は栄養上の関係である
(2)体内のフィトアレキシンの存在と植物の抵抗性
(3)養分とフィトアレキシンとは均衡関係にある
(4)植物の抵抗性と物質代謝に関係する諸条件
第三章 植物の生理と病害虫抵抗性への農薬の影響
(一)植物体内の物質代謝に与える農薬の影響
(二)植物体内への農薬の浸透
(三)植物成長物質(植物ホルモン)の作用
(四)有機塩素系農薬、特にDDTの影響について
(五)有機リン剤の影響
(六)カーバメート、ジチオカーバメート剤の影響
(七)新登場の殺菌剤と除草剤の影響
(八)まとめ

第二部 養分欠乏と病害
第四章 果樹栽培での合成農薬のゆきづまり ──細菌病と植物の生理
(一)果樹栽培での病虫害防除問題の相似性
(二)寄生者の激増は抵抗性のあらわれなのか、増殖力の高まりなのか?
(三)細菌病と植物の生理
(四)細菌病に対する環境条件の影響 ──植物組織でのチッ素含量の重要性
(五)細菌病の防除には、植物と細菌との養分関係を考えることも必要である
(六)植物─寄生者の関係への農薬の介入
(七)防除の新しい展望
第五章 ウイルス病
(一)環境条件とウイルス病
(二)無機肥料とウイルス病の発症
(三)有機質肥料とウイルス病
(四)ウイルス病に対する農薬の影響
(五)接木とウイルス病 ──ブドウでの実例
(六)ヴァゴーの研究と病気の概念
第六章 ウイルス病の防除 ──その過去と未来
(一)ウイルス病は特殊な病気なのか?
(二)媒介生物の化学的防除
(1)アブラムシ防除のゆきづまり
(2)殺虫剤散布によるアブラムシの増殖
(3)農薬散布が引きおこす植物体内の養分の変化によるアブラムシの受胎力の増大
(4)アブラムシの養分要求と受胎力
(5)アブラムシの宿主選択の条件
(三)ウイルス病、媒介生物、殺虫剤の複合的関係
(1)植物のアブラムシ誘引力に対するウイルス病の影響
(2)ムギ類の生理状態と寄生複合
(四)結 論
第七章 接木と抵抗性
(一)接木の原理と成果
(二)接木によっておこるブドウの病害
(三)リパリア種の生理と、リパリア台木による各種の「組み合わせ」ブドウ
(四)台木による穂木の抵抗性の強化
(五)接木と果実の品質

第三部 栽培管理と作物の健康
第八章 栽培法による作物の健康の変化
(一)ムギ類の集約栽培と近代化病の大発生
(1)寄生者の蔓延は、その増殖か、殺虫剤への抵抗性か?
(2)除草剤のアトラジンと二・四ーDが寄生者の増殖に与える影響
(3)ムギ類に対する殺菌剤の「二次的」作用
(4)除草剤と雑草との関係 
(二)伝統的栽培法、または「有機農法」で生産されたムギ類の健康
(三) 稲作 ──イネの健康と均衡の取れた施肥の成果
(1)イネの寄生者たち
(2)寄生者への抵抗性に対する除草剤の影響
(3)イネの寄生者に対する抵抗性と施肥問題
第九章 作物の健康管理 ──養分欠乏調整とタンパク質合成促進
(一)はじめに 
(二)陽イオン間の均衡と植物の栄養
(1)カリ/カルシウム比とカリ/マグネシウム比の均衡
(2)カリ/マグネシウム比
(3)微量要素の均衡
(三)トマトのウイルス病と要素欠乏
(四)殺菌剤の作用機作
(1)銅剤
(2)硫黄剤
(3)マンネブ剤の作用機作
(4)キャプタン剤は殺菌剤ではないのか?
(5)フォセチル・アルミニウム剤の作用機作
(五)植物の生理と抵抗性に与えるホウ素の影響
(1)ホウ素の生理作用と他要素との均衡
(2)植物のホウ素要求と可吸化
(3)ホウ素欠乏 ─ホウ素施用の開始時期と期間、施用法と効果
(4)ホウ素などの微量要素の吸収に対する施肥の影響
(六)黒星病の防除に養分的な処理が応用できるか?
(1)合成殺菌剤に対する黒星病菌の「抵抗性」
(2)黒星病菌の栄養要求 ─新しい合成殺菌剤による植物の感受性増大の原因
(3)合成農薬による要素欠乏の発生
(4)黒星病防除のための植物栄養的処理
(七)植物栄養的処理による植物の免疫性 
PDFパンフレット  
備考 [著者]
フランシス・シャブスー FRANCIS CHABOUSSOU

[訳者]
中村英司(なかむら・えいし)
1921年、富山県生れ。京都大学農学部農学科卒業。農学博士(野菜栽培生理学)。
滋賀県農業試験場、滋賀県立農業短期大学、滋賀大学、ジョモケニヤッタ農工大学(ケニア)などで研究・教育に従事。滋賀県在住。1970年代から、地元農家と有機野菜栽培の研究を開始、今日にいたる。
著書・訳書-『園芸植物の開花調節』(共著、誠文堂新光社、1970)、『蔬菜園芸学』(共著、朝倉書店、1973)、『園芸植物の開花生理と栽培』(誠文堂新光社、1978)、『栽培植物発祥地の研究』(八坂書房、1980)、『有機農業の基本技術』(八坂書房、1997)、『自然保護と有機農業』(農政調査委員会、2000)ほか

原題 "SANTE DES CULTURES: une revolution agronomique" Francis Chaboussou
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ISBN978-4-89694-817-2 

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