名もなき中世人の日常
【中世ヨーロッパ万華鏡3】

分類 シリーズ 
タイトル 名もなき中世人の日常
【中世ヨーロッパ万華鏡3】 
サブタイトル 娯楽と刑罰のはざまで 
著者 エルンスト・シューベルト著/藤代幸一訳 
ページ数 296(カラー11)頁 
判型 A5・上製 
定価 3,080円(本体2,800円) 
内容 中世後期の祝祭、賭博場、娼家、刑場などに「名もなき人びと」の足跡をたどり、厳しい生活環境に置かれながらも、都市で、また農村でしたたかに人生を楽しんだ庶民の生活空間を等身大で再現する、新しい日常史の試み。 
目次  
PDFパンフレット  
備考 《シリーズ 中世ヨーロッパ万華鏡》全3巻完結!
既刊はこちら
【中世ヨーロッパ万華鏡1】中世人と権力
【中世ヨーロッパ万華鏡2】中世の聖と俗

●朝日新聞書評より(掲載2004年06月13日)
ドイツやオーストリアで、多くの歴史家たちが集う共同耕作地は、「日常史」と呼ばれている。そのエッセンスを一般読者に分け与えてくれるのが、『中世ヨーロッパ万華鏡』(全三巻)である。 最初の配本となる本書は、中世の初期から盛期(六~十二世紀)のヨーロッパ社会を、聖と俗がたがいに相手の懐に入り込んだ時代と捉(とら)え、結婚と家族、修道院、死、悪魔について論じている。たしかに珍しくもないテーマだし、史料にしても専門家にはよく知られたものが大半である。ところが、法典や聖人伝・年代記の全体をよく読み込んだ上で引用箇所(かしょ)を選択しているのが効いており、また堅実で密度の濃い研究成果を反映しているだけに、「そうだったのか」と思わせるツボ、見慣れたはずの風景を転換させる異化効果が随所に仕組まれている。「結婚と家族」についてその例を挙げれば、初期中世の結婚が愛情共同体であったこと、「大家族を作る」イメージが神話にすぎないこと、子供の命名法とその変遷が、家族の仕組みの理解にとってとっておきの指標になること、こんなことをさりげなく教えてくれるのである。 全三巻そろえば、ますます頼もしい中世世界再考の手引になるにちがいない。
評者・池上俊一(東京大学教授=西洋史)

原題 'Spatmittelalter: die Rahmenbedingungen des Lebens kleiner Leute' by Ernst Schubert in: "Menschen im Schatten der Kathedrale : Neuigkeiten aus dem Mittelalter" Gerd Althoff, Hans-Werner Goetz, Ernst Schubert
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ISBN978-4-89694-739-7 

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