分類 |
植物 |
タイトル |
鷗外の花 |
サブタイトル |
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著者 |
青木宏一郎 |
ページ数 |
216ページ |
判型 |
四六判・上製 |
定価 |
2,640円(本体2,400円) |
内容 |
森鷗外の趣味はガーデニング!
『舞姫』で有名な明治・大正期の文豪 森鷗外の著作には、400種以上の植物が登場する。だが、彼の趣味が本格的なガーデニングであったことはあまり知られていない。
無類の花好きであった鷗外は、自邸の庭に花園を作り、四季折々の草花や、当時としては珍しいヒヤシンス、ダリア、ナスタチウムなどのモダンな植物、家族で楽しむイチゴなどを丹精込めて育てた。
庭仕事は、小説家・翻訳家さらには陸軍軍医として、多忙を極める鷗外が、心を癒やし整えるための大切な時間だったのだ。
全著作に記された1500余の植物名を読み解き、鷗外の愛した花に迫る渾身の書!
★植物写真多数掲載★鷗外作品に現れる植物一覧付★ |
目次 |
第一章 心を治す植物とのふれあい
日記に見える「園を治す」とは/『田樂豆腐』から『興津彌五右衛門の遺書』への葛藤/心を治した「園を治す」/『園芸小考』の自然景観論
第二章 鷗外の愛したスミレ
『ヰタ・セクスアリス』に見る花好き/最も多く登場するスミレ/希望を暗示する『山椒太夫』のスミレ/最期まで愛したスミレ
第三章 『田樂豆腐』に見るガーデニング
主人公・木村の庭/明治から大正時代のガーデニング事情/木村から連想する鷗外の好みの変化
第四章 植物への造詣を深める『伊澤蘭軒』
植物名へのこだわり/植物への関心を展開させる
第五章 色彩に寄せる思い
花の色を巡って/『魔睡』の「鴇色」/翻訳戯曲『人の一生』の「鴇色」とセンノウ
第六章 子規、漱石の庭
正岡子規に種を送る/猫の庭
第七章 鷗外の花好きを育む
庭と盆栽好きの父の素地/庭を愛する母の営み/鷗外の庭園観を醸成したお殿様の庭/ガーデニングも学んだドイツ留学/娘・茉莉が探した鷗外のガーデニング原景/『みちの記』に見る草花の風景/『徂征日記』に見る植物
第八章 自邸・観潮楼での庭づくり
芭蕉二株から始まる観潮楼の庭づくり/観潮楼の庭園のデザイン
第九章 ドイツ留学の総決算である『花暦
不思議な『花暦』/『花暦』の植物/花畑はドイツ留学の思い出
第十章 日記を彩る無数の草花
明治三十一年日記/明治三十一年日記と『花暦』の比較/永井荷風との比較/明治三十二年『小倉日記』/明治三十三年『小倉日記』/明治三十四年『小倉日記』/明治三十五年日記/書簡に見られる花/明治三十八年の植物/明治四十一年日記/明治四十二年日記/明治四十三年日記/明治四十四年日記/明治四十五年・大正一年日記/大正二年日記/大正三年日記/大正四年日記/大正五年日記/大正六年日記/大正七年『委蛇録』/大正八年『委蛇録』/大正九年『委蛇録』/大正十年『委蛇録』/大正十一年『委蛇録』/没後の観潮楼の庭
引用参考文献
本書で取り上げた主な作品のあらすじ
鷗外作品に現れる植物一覧 |
PDFパンフレット |
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備考 |
★著者紹介
青木宏一郎
1945年、新潟県生まれ。千葉大学園芸学部造園学科卒業。
株式会社森林都市研究室を設立し、ランドスケープガーデナーとして、青森県弘前市弘前公園計画設計、島根県津和野町森鷗外記念館修景設計などの業務を行う。その間、東京大学農学部林学科、三重大学工学部建築科、千葉大学園芸学部緑地・環境学科の非常勤講師を務める。
[著書]
『江戸の園芸』ちくま新書
『江戸のガーデニング』平凡社
『江戸庶民の楽しみ』『大名の「定年後」』中央公論新社
『鷗外の花暦』養賢堂
『解読花壇綱目』創森社
『自然保護のガーデニング』中公新書ラクレ
他多数。
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ISBN 978-4-89694-364-1 |