メディチ家の別荘と庭園

分類 歴史・民族・宗教 
タイトル メディチ家の別荘と庭園 
サブタイトル 世界遺産の歴史を旅する(阪南大学叢書124) 
著者 松本典昭著 
ページ数 232頁 
判型 A5判・上製 
定価 3,960円(本体3,600円) 
内容 ルネサンスの大富豪がフィレンツェ郊外に所有していた14の別荘と庭園(ユネスコ世界遺産)を初めてまとめて紹介!!建築・庭園史、滞在者・訪問者や出来事、美術・文学・音楽との関係、周囲の景観や動植物等を探る。図版300点。 
目次 プロローグ
【column】ウテンスのルネッタ
メディチ家の別荘と庭園地図/メディチ家略系図/ロートリンゲン家のトスカーナ大公

第Ⅰ部 田園の風に吹かれて
1.カファッジョーロの別荘:ムジェッロ地方の領主の城館
 田園ムジェッロ地方 /ミケロッツォの改築 /教皇と彫刻家と航海士 /ロレンツォ・イル・マニフィコとその家族 /兄脈から弟脈へ /真夏の夜の惨劇 /中継地点 /塔の撤去
【column】メディチ銀行/牧歌『バルベリーノのネンチャ』/ゾッキの銅版画

2.トレッビオの別荘:ムジェッロ地方のもうひとつの領主の城館
 コジモ・イル・ヴェッキオの菜園 /コジモ一世の運命を決めた場所 /別荘案内
【column】キケロ発見/弟脈のコジモ一世

3.カレッジの別荘:プラトン・アカデミーの聖地 
 過渡期の折衷形 /ミラノ公子歓迎会 /霊魂を耕すコジモ・イル・ヴェッキオ /ロレンツォ・イル・マニフィコの黄金時代 /メディチ家の追放と帰還 /大公と枢機卿 /《カレッジ荘のプラトン・アカデミー》
【column】新プラトン主義

4.フィエーゾレの別荘:眺めのいい理想郷
 瀟洒なルネサンス別荘 /ルネサンス文化の花が開く /外国人文化サロン
【column】アルベルティの建築論/パッツィ家陰謀事件

5.カステッロの別荘:動物のグロッタ
 ボッティチェリの《春》 /フォルリの牝虎と大魔神 /コジモ一世の別荘 /幾何学庭園、柑橘類の庭 /動物のグロッタ /モンテーニュの『旅日記』
【column】ローマ・ルネサンスの別荘と庭園/動物のいろいろ/柑橘類/クルスカ学会

6.ポッジョ・ア・カイアーノの別荘:古代神殿風ファサード
 ロレンツォ・イル・マニフィコの別荘 /「レオ一〇世の間」 /コジモ一世とエレオノーラ・ディ・トレド /大公夫妻の謎の死 /享楽的な大公妃と大公子 /静物画美術館
【column】コジモ三世の博物学/酔狂な枢機卿たち/ナポレオン旋風


第Ⅱ部 大公国の夢の跡

7.ペトライアの別荘:ダンスホールになった中庭
 中庭のフレスコ画 /フィレンツェ式モザイク /啓蒙専制君主の中国趣味 /イタリア王のダンスホール
【column】イタリア王国の首都

8.チェッレート・グイディの別荘:ジグザグの大階段 
 ジグザグの大階段 /狩猟場 /公女イザベッラの死
【column】多芸多才なブオンタレンティ

9.セラヴェッツァの別荘:僻遠の要衝 
 大理石産地の渓流のそば /大公妃のマス釣り
【column】カッラーラの大理石

10.ラ・マージャの別荘:狩りの休憩所  
 皇帝カール五世の狩り /大公直轄狩猟園 /野外美術館
【column】疑惑の庶子ドン・アントニオ

11.アルティミーノの別荘:領域支配の中心 
 フェルディナンド一世の別荘 /「ルネッタの間」 /それでも地球は動いている /寡婦ヴィオランテ /優美な曲線階段
【column】アグリツリズモ体験/オリーブの歴史

12.ポッジョ・インペリアーレの別荘:新古典主義のファサード   バロンチェッリ邸 /大公妃マリア・マッダレーナ・ダウストリア /大公妃ヴィットリア・デッラ・ローヴェレ /啓蒙の世紀 /女子寄宿学校
【column】旅するモーツァルト


第Ⅲ部 愉悦の楽園あるいは人工の自然

13.ボーボリ庭園:市内のイタリア式庭園  
 メディチ以前 /コジモ一世とエレオノーラの時代/グロッタ・グランデ /《オチェアーノの噴水》と《ネプトゥヌス》 /《侏儒モルガンテ》 /野外劇場 /「イトスギの並木道」と「小島の池」/騎士の庭 /メディチ以後・一八世紀 /メディチ以後・一九世紀 /現代のスペクタクル・彫刻・動植物
【column】イタリア式庭園とイギリス式庭園/大公ピエトロ・レオポルド/アンマナーティの噴水/インフェルノ・ツアー

14.プラトリーノ庭園:イタリア式庭園からイギリス式庭園へ 
 フランチェスコ一世の別荘 /モンテーニュの『旅日記』ふたたび/《アペンニーノ》 /人工の自然 /大公子フェルディナンド /昔日の面影 /風景式庭園
【column】天正遣欧使節/リゴッツィの動植物画

エピローグ

植物図鑑
メディチ家の別荘と庭園関連年表 
PDFパンフレット  
備考 著者紹介
1955年鳥取県生まれ。1988〜91年フィレンツェ大学留学。1992年同志社大学大学院文学研究科文化史学専攻博士課程単位取得退学。博士(文化史学)。現在、阪南大学国際コミュニケーション学部教授。
著書に『メディチ君主国と地中海』(晃洋書房)、『パトロンたちのルネサンス―フィレンツェ美術の舞台裏』(日本放送出版協会)、『メディチ宮廷のプロパガンダ美術―パラッツォ・ヴェッキオを読み解く』(ミネルヴァ書房)、『フルカラー メディチ家の至宝 驚異の工芸コレクション』(勉誠出版)、『図説 メディチ家の興亡』(河出書房新社)。共訳書に『マキァヴェッリ全集6』(筑摩書房)、『ミケランジェロと政治―メディチに抵抗した《市民=芸術家》』(刀水書房)、『ルネサンス都市フィレンツェ』(岩波書店)など。

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ISBN978-4-89694-337-5 C0022 

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