中世の言語と読者

分類 歴史・民族・宗教 
タイトル 中世の言語と読者 
サブタイトル ラテン語から民衆語へ 【新装版】 
著者 エーリヒ・アウエルバッハ著/小竹澄栄訳 
ページ数 400頁 
判型 A5・上製 
定価 5,280円(本体4,800円) 
内容 教養ある読者・聴衆の不在という特異な文化状況のなか、中世のラテン語はどのような変貌をとげ、文化的空白はいかにして克服されたか。『オリエンタリズム』のサイードをはじめ、今なお多くの目利きを惹きつけてやまない不朽の名著『ミメーシス』の著者が、その「欠落部分」を補って研究の環を閉じるべく、満を持して執筆した遺著。 
目次 序 もくろみと方法について
第1章 謙抑体 (sermo humilis)
  補遺 受難の栄光 (gloria passionis)
第2章 初期中世のラテン語散文
第3章 カミラ あるいは崇高なるものの再生について
第4章 西欧の読者とその言語 
PDFパンフレット  
備考 原著
Erich Auerbach
Literatursprache und Publikum in der lateinischen Spaetantike und im Mittelalter

なるほど『ミメーシス』には歴然たる大きな欠落部分があって……600年から1100年にわたるきわめて長い、きわめて貧しくはあるがもっとも解釈を必要とする時代は、ほとんど取り上げられていない。文学的読者も一般に理解可能な文学言語も存在しない一大中断期……この中断は何を意味するか、それはどのように克服されたか、この点を単一の事象として表すのは容易ではない。――「序」より

[著者略歴]
エーリヒ・アウエルバッハ Erich Auerbach(1892-1957)
1892年ベルリンに生まれる。ハイデルベルクで法律を、第一次大戦後グライフスヴァルト大学でロマンス語文学を学んだ後、マールブルク大学で教鞭をとるが、ナチス政権の誕生とともにイスタンブールへ亡命。1947年アメリカへ渡り、ペンシルヴェイニア、プリンストン、イェールの各大学に迎えられる。ロマニスト、文芸評論家として著名。主要著書に『世俗詩人ダンテ』(1929)『17世紀のフランス公衆』(1933)『新ダンテ研究』(1944)『ミメーシス』(1946)『ロマンス語文献学入門』(1949)『フランス文化史研究論集』(1951)など、また主要論文の集大成として『ロマンス語文献学論文集成』(1967)がある。

[訳者略歴]
小竹澄栄(こたけ・すみえ)
1947年神奈川県に生まれる。1976年東京都立大学人文科学研究科博士課程中退。2005年東京都立大学人文学部教授を退職。訳書『トリストラントとイザルデ』(国書刊行会)、クルチウス『バルザック論』『文学と旅』『ヨーロッパ文学評論集』(みすず書房)、ボルヒャルト『ピサ』『情熱の庭師』(みすず書房)、アウエルバッハ『世俗詩人ダンテ』(みすず書房)他。


ISBN978-4-89694-272-9 

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